災害救護
日本赤十字社の災害救護活動には、赤十字の人道的任務として自主的判断に基づいて行う場合と、災害対策基本法や武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(国民保護法)における指定公共機関として、国や地方公共団体の行う業務に協力する場合とがあります。
これらの災害救護活動を円滑に行うため、法律に基づき日本赤十字社防災業務計画や日本赤十字社国民保護業務計画を作成し、準備を行っています。
また、新型インフルエンザ等の未知の新感染症が発生した場合には、新型インフルエンザ等対策特別措置法における指定公共機関として、日本赤十字社新型インフルエンザ等対策業務計画に基づき、医療サービスの確保等の必要な対策を実施します。
赤十字救護班及びこころのケア
日本赤十字社は、災害時に備えて、赤十字病院の医師、看護師などを中心に救護班を編成しており、災害が発生するとただちに救護班を現地に派遣し、救護所の設置、被災現場や避難所での診療、こころのケア活動などを行います。
当院の救護班要員等の登録状況(令和2年4月1日現在)
救護班 | 5班(1班:医師1、薬剤師1、看護師3、主事4) |
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救護班要員 | 医師5、薬剤師5、看護師15、主事20 |
こころのケア指導者 | 指導者12 |
日赤CoT | 医師2、看護師3、主事4 |
※日赤CoT ・・・ 日赤災害医療コーディネートチーム
災害拠点病院
災害拠点病院とは、各都道府県に災害時における医療救護活動の拠点となる病院を設置し、被災現場において応急救護を行う救護所や救急病院、救急診療所等との円滑な連携のもとに、災害時における重症患者の適切な医療を確保することを目的に知事がしているものです。
災害拠点病院には、「基幹災害拠点病院」と「地域災害拠点病院」により分類され、長野県においては、「基幹災害拠点病院」を県内1施設、「地域災害拠点病院」を県内13施設(二次医療圏全てに設置)指定しています。
当院は、長野医療圏の地域災害拠点病院のほか、県内唯一の基幹災害拠点病院の指定を受けております。
基幹災害拠点病院の役割 | 地域災害拠点病院の機能を有するほか、県下全域の災害拠点病院の機能を強化するための訓練・研修機能を有する病院であること |
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地域災害拠点病院の役割 | 二次救急医療圏の中核医療機関として、当該地域の災害拠点病院のとりまとめのほか、当該地域の災害医療体制を強化する機能を有する病院であること |
主な医療機器・救護資器材 | 医療セット、担架、折畳寝台、簡易ベッド、天幕、エアーテント、衛星携帯、業務用無線機、野外トイレ、発電機、人工呼吸器、搬送用モニター、ポータブル血液分析器、多機能ストレッチャー、除染設備、防護服 |
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主な備蓄資器材 | 毛布、非常食(五目ご飯、わかめご飯、パン缶、切り干し缶、ひじき缶、インスタントスープなど)、缶詰(2,000食:3日分)、飲料水(1,000ℓ:3日分) |
主な訓練・研修資器材 | AEDトレーナー、心肺蘇生訓練人形、医療セット |
DMAT
医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職及び事務職員)で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)から活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームです。
災害派遣医療チーム Disaster Medical Assistance の頭文字をとって略して「DMAT(ディーマット)」と呼ばれています。
当院のDMAT隊員の登録状況(令和2年4月1日現在)
DMATチーム | 7チーム | 医師15、看護師15、業務調整員14 |
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統括DMAT | 4名 | 医師4 |
日本DMATインストラクター | 1名 | 医師1 |
※DMAT隊員のうち、医師5、看護師2、業務調整員2は長野県DMAT隊員