診療科・部門
放射線診断科

概要

放射線科診断部門

放射線科診断部門には、5名の放射線科医が常駐し、血管造影検査や読影を行っています。放射線科で担当する血管造影検査では、肝臓癌などの腫瘍に対してピンポイントで抗がん剤を注入したり、外傷等による体内出血を止める塞栓術などを24時間で対応しています。その他、超音波検査(生検など)も行います。
また、院内で撮影するCTやMR、核医学検査画像は全て放射線科医が読影し、診断の質の向上に寄与しています。院内の各種検査画像は、放射線科診断部門の28名の診療放射線技師によって、X線撮影、マンモグラフィ検査、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴画像検査(MRI)、X線TV透視検査、超音波(US)、核医学検査(SPECT, PET)、血管造影検査と各種画像検査を行っています。画像から得られる情報から主治医は診療方針を決定するため、放射線科の画像診断の役割が重要になっています。当部門は急速に進歩する医療技術に対応するため、最先端の画像診断機器の整備と、装置が安全にそして安定して使用できるよう精度管理を行っております。患者様の被ばく線量の低減や身体的負担をなるべく軽減し、安全にそして診断価値の高い画像情報の提供に努めております。研修会や学術大会に参加し医療技術や知識を学び専門性を高め、医療従事者として資質の向上を目指し、診療に貢献できるよう取り組んでおります。

資格・認定取得状況

  • 健診マンモグラフィ診療放射線技師 4名
  • 核医学専門技師 1名
  • 上級磁気共鳴専門技術者 1名
  • 磁気共鳴専門技術者 5名
  • 救急撮影認定技師 4名
  • X線CT認定技師 5名
  • 肺がんCT検診認定技師 2名
  • 胃がん健診専門技師 2名
  • PET認定技師 3名
  • 超音波検査技師 6名
  • 放射線機器管理士 3名
  • 放射線管理士 3名
  • 第一種放射線取扱主任者 3名
  • 作業環境測定士 1名
  • 日本DMAT隊員 2名

診療の特色

X線撮影

X線撮影は主に、肺や消化管の状態、骨折の有無を診断するための検査です。全身どこでも容易に撮影することが可能なため、CTやMRIなど他の画像診断が普及した現在においても重要視されています。

  • 撮影の大多数を平面X線検出器(FPD)と呼ばれる装置で行っているため、より低被ばくで、リアルタイムで画像の確認が可能です。
  • 撮影の際に、支えや付き添いが必要な幼児等には、ご家族にも立ち会っていただく場合があります。
  • 妊娠の可能性のある患者さんは、受付や担当技師に申し出てください

乳房撮影

当院の乳房撮影装置はFUJIFILMのamuletという装置が導入されています。X線の検出器をFPDにすることにより、従来のフィルムより低線量で撮影ができるようになりました。乳房撮影では、よりよい写真を撮影するために、乳房を圧迫させていただいています。圧迫して乳腺を均一に引き伸ばし、乳房の厚みを薄くすることで、被ばくの低減もはかれるため、ご協力をお願いしています。

X線TV透視検査

X線TV透視検査では、造影剤を使用した胃や大腸の検査、胆管・膵管の検査を行うERCPや肺・気管支の検査を行うBFといった内視鏡検査、また、泌尿器科、小児科等ほとんどの科が使用します。当院はX線TV装置を3台保有しており、Cアーム装置1台、オーバーチューブ方式のTV装置が2台、そのうち1台は内視鏡検査や穿刺等を安全に行うため、CTやMRI画像を参照しながら検査を行える構成になっています。

  • 小児の検査では、平面X線検出器(FPD)を搭載した装置で検査をすることで被ばく線量の低減が可能で、被ばく量の管理も行っています。

血管造影検査

装置画像血管造影検査は手首や肘、鼠径部の動脈へカテーテルという管から造影剤を注入し、目的の血管や臓器、病変部の検査を行います。検査は心臓を養う冠動脈、下肢の末梢血管、脳血管、肝臓の血管を主に診断・治療します。

  • 急性心筋梗塞、脳動脈瘤10破裂によるクモ膜下出血や肝損傷に対する緊急検査・治療の体制が確立されています。
  • 検査、治療にあたって基本的に入院が必要となります。手首、肘から検査した場合、穿刺部は数時間の屈曲制限が、鼠径部から検査した場合には数時間仰向けで安静にしていただきます。

循環器内科

急性CAG(冠動脈の造影検査)
PCI(冠動脈の治療)
EVT(末梢血管の治療)
アブレーション(不整脈の治療)
PMI(ペースメーカー植え込み術)
術前フィルター留置術

心臓血管外科

大動脈ステントグラフト留置術(TEVAR・EVAR)
経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)

放射線科

肝動脈塞栓術
子宮動脈塞栓術
副腎静脈サンプリング
出血に対する止血のための動脈塞栓術

脳神経外科

脳血管造影検査
PTA(血管拡張術)
CAS(ステント留置術)
血栓溶解術/吸引術
動脈瘤/動静脈奇形など動脈コイル塞栓術

歯科系撮影

  • デンタル撮影は小さなフィルムを口の中に入れ、歯の撮影を行います。
  • 全歯列を断層撮影するパノラマ撮影、口を開けた時と閉じた時で顎関節のズレを診る顎関節規格撮影を行います。
  • セファロ撮影(頭部規格撮影)は歯科矯正治療において上下のあごの大きさやズレ、あごや唇の形態、歯の傾斜等を評価し、治療方針の決定や治療による経過を診るため頭部を固定して一定の位置関係で撮影します。
  • CBCT(コーンビームCT)は、歯のインプラント治療計画や埋伏(智)歯の位置関係の確認、歯科矯正治療の方針を決定するために撮影を行っています。上顎洞や下歯槽神経を傷つけずに安全にインプラントを埋め込むためにCBCTは欠かせません。

ポータブル撮影

中央放射線部に来ることができない患者様のX線撮影(主に胸部や腹部等)を行うため、各病棟や手術室に出向いて撮影を行います。ポータブル装置は中央放射線部に2台、救急外来、ICU、NICU、手術室、骨髄移植センターに各1台迅速に対応できるように配置されています。

骨密度測定(DEXA:Dual-energy X-rayabsorptiometry)

腰椎や股関節や腕の骨塩量(骨密度)を定量的に測定します。DEXA法は骨密度測定の標準方法とされ、骨粗鬆症の精密検査や、骨粗鬆症の治療効果の経過観察、骨折の危険性予測のため撮影されます。また骨の状態や構造を数値化して(TBS)骨折しやすいかどうかの判定をしたり、寝たきりになる危険性を回避するため、身体全体の筋肉量を調べることができるようになりました。

超音波検査

人体に対して超音波を発信して体内の臓器から反射して返ってくる超音波を受信し、コンピュータ処理して映像化します。 当部門では主に肝臓・胆嚢・膵臓・脾臓・腎臓などの腹部臓器の検査を行っています。

CT撮影装置

CT(Computed Tomography)では、体を透過して検出されたX線を利用して体の断面像を作成します。また、その画像を利用して立体的な3D画像も作成することが出来ます。当院では、320列のMDCT2台が稼働しています。2015年1月に導入された320列のMDCTでは、16cmの範囲を1回転で撮影できます。これにより、心臓の検査では動きの影響の少ない画像を提供できるようになりました。また、血行動態を反映した4Dの画像も作成しています。

MRI撮影装置

MRIは強力な磁場と電磁波の力を利用して体内を画像化する装置です。放射線を利用しないため被曝のない検査となります。特徴は組織コントラスト(組織を区別する色合い)が非常に高いことで、全身検査に対応可能です。現在、philips社製の3.0テスラ装置1台、1.5テスラ装置1台の計2台のMRIが稼動しており高度な画像診断に対応しています。 当院ではMRI検査に対して専門知識を持った技師が検査を行なっております。

核医学検査(RI検査及びPET検査を行っています)

  • RI(RI=放射性同位元素)検査は、放射性医薬品を使用し、その薬の体内分布を体外より専用の装置(SPECT/CT)で撮像する検査です。検査薬の多くは静脈から注射しますが、一部の検査ではカプセルを内服するもの、呼吸により吸入するものがあります。検査内容により、薬の投与後、数時間から数日後に検査を行う場合があります。
  • PET(PET=陽電子放射断層撮影)検査も放射性医薬品を静脈から注射し、体内分布を専用の装置(PET/CT)で撮像する検査です。

当院の特色

  • 平成28年4月、装置の更新によりSPECT/CTを導入しました。SPECT/CTを用いることにより、体内に投与されたRI(放射性医薬品)の分布をCT画像と重ね合わせた断面画像を表示することが可能です。これにより病巣の位置情報を知ることができ、診断に有効な画像を提供できます。検査によっては、体の厚さによる吸収誤差を補正するためにCT画像を利用し、RI画像の補正を行っています。これにより、精度の高い診断画像を提供できます。
  • PET検査は、18F-FDG(PET検査用放射性医薬品)をメーカーより直接供給してもらう、デリバリー方式で行っています。
  • 核医学検査は、地域医療機関からの依頼にも対応しています。大型医療機器の地域医療機関との共同利用のため、紹介患者専用の枠を設けて、地域医療機関からの検査依頼を積極的に受け入れています。

※RI・・・Radio Isotope
※PET・・・Positoron Emission Tomography

放射線医薬品内用療法

  • 放射線を出すお薬を内服や注射で人体に投与して、病巣部位に集まった薬品から放射される放射線で病巣部分を集中的に照射する治療です。 当院では次の内用療法をおこなっています。
  1. 甲状腺機能亢進症に対する、放射性ヨード内服治療
  2. 分化型甲状腺癌全摘後の外来アブレーション
  3. 去勢抵抗性前立腺癌の骨転移に対する治療
  • これらについては、担当医や当院担当科とご相談ください。
  • ゾーフィゴ静注(ラジウム223)による去勢抵抗性前立腺癌の骨転移治療は、平成28年8月より実施しています。

放射線治療

全国IVR症例登録事業参加について

当院では、患者さんに安心して医療を受けていただくために、安全な医療をご提供するとともに、患者さんの個人情報の取り扱いにも、万全の体制で取り組んでいます。 日本IVR(Interventional Radiology)学会では、本学会に参加する施設で行ったIVR診療(血管塞栓術、血管拡張術など※放射線診断技術の治療的応用)の情報を登録し、IVR診療の状況を把握し、各種疾患の診断治療の向上に役立てる取り組みをIVR学会症例登録として実施しております。

この事業は、現在の我が国のIVR診療の現状を浮き彫りにし、基礎と臨床の種々の研究にも貢献するものと考えられます。
当院は、上記の日本IVR学会による全国症例登録の趣旨に賛同し、登録事業に積極的に協力してまいります。当院でIVR診療を行いました患者さんについては、個人情報を削除した後、診療内容をIVR学会事務局に届出いたします。但し、非同意の意思表示がなされた場合には届出を致しません。また、後に非同意や登録の削除を申し出られました場合にも登録を削除致します。ご不明な点などありましたら、診療科の担当医までお気軽にお尋ねください。

診療実績

2023年

診療実績登録医共同利用
CT26,790人454人
MRI11,076人840人
RISPECT885人122人
PET1,087人5人
内用療法など6人
X線透視2,668件
単純撮影82,064件
血管撮影心臓1,104人
腹部56人
頭部145人
呼吸器内科18人
OP室9人
TAVI50人

スタッフ紹介

金子 智喜 (かねこ ともき)
役職:
部長
専門分野:
放射線診断医
卒業年:
平成7年卒
資格等:
PET核医学認定医、核医学専門医、死亡時画像診断修了証、医学放射線学会研修指導者、放射線診断専門医
鈴木 亜紀重 (すずき あきえ)
役職:
副部長
専門分野:
放射線診断
卒業年:
平成14年卒
資格等:
PET核医学認定医、日本医学放射線学会研修指導者、放射線診断専門医、マンモグラフィー読影認定医
宮﨑 純子 (みやざき じゅんこ)
役職:
副部長
専門分野:
放射線科
卒業年:
平成15年卒
資格等:
放射線診断専門医
野中 智文 (のなか ともふみ)
役職:
副部長
専門分野:
放射線科
卒業年:
平成26年
資格等:
放射線診断専門医

診療担当一覧

 
初診 AM

野中 智文

鈴木 亜紀重

野中 智文

鈴木 亜紀重

野中 智文

鈴木 亜紀重

野中 智文

鈴木 亜紀重

野中 智文

鈴木 亜紀重

再診 AM