概要
外科は消化器外科、乳腺甲状腺外科、呼吸器外科の3部門に分かれて診療を行っています。外科では5大がん(胃癌、肝癌、大腸癌、乳癌、肺癌)などに対して手術を中心とした診療を行っています。
当院は「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受けており、病院を挙げてがん診療の充実に力を注いでいます。2016年にはSPECT/CTの導入、放射線治療装置2台体制となった高精度放射線治療センターの開設、17年にはMRIのアップグレード、18年には血管造影室の改修、緩和ケアセンターの設置、19年には「がんゲノム医療連携病院」の指定を受けるなど常に最新で質の高い医療を提供できる体制を整えています。
当院には複数のキャンサーボードが設置され、毎週定期的に開催されています。消化器がんも外科医、内科医、放射線診断医、放射線治療医、病理医、緩和ケア担当医などが集まりがん患者の診断、治療方針などを検討しています。
診療の特色
当院は「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受けており、病院を挙げてがん診療の充実に力を注いでいます。2022年4月から肝胆膵の外科に専門的に対応する「肝胆膵外科」を開設し、院内医師らの協力のもと、腫瘍性疾患から診療を開始しています。
肝胆膵領域の悪性腫瘍は、外科治療に至る割合は高くはありません。また、他癌と比較し一般的には予後が厳しいことも特徴です。そこで手術を担当する外科医が、初期よりかかわる体制を作り、手術を柱とした系統だった治療戦略をたて治療にあたっています。
ご紹介いただく患者さんはできるだけ速やかに治療方針を検討し対応しますので地域医療連携室に相談、ご予約をお願いします。
医師数の関係で、外来日の全てで専門外来診察ができません。肝胆膵領域の救急疾患の外科診療も重要ですが、緊急対応はいままで通り曜日指定なく、消化器外科全体で対応しています。
手術は開腹下の肝胆膵手術に加え、腹腔鏡下手術も積極的に実施しています。肝切除(部分切除から高難度系統的切除まで)・膵癌に対する膵体尾部切除・胆嚢悪性腫瘍手術など、腫瘍の進行度、病変の条件、患者さんの状態などを考慮しながら適応する症例は判断しています。
また、術前・術後の化学療法や放射線療法を含めた集学的治療も当科が主体で実施しています。
2023年における肝胆膵外科系の腫瘍性疾患の手術件数は48件で、肝切術が24件、膵切術が20件、胆道系が4件でした。
診療実績
2023年度 肝胆膵外科関連手術件数(※1月~12月実施分)
術名等 | 症例数 |
---|---|
胆道 | 4 |
(内訳)胆嚢悪性腫瘍手術(胆嚢に限局する) | 1 |
胆管悪性腫瘍手術(肝外胆道切除術によるもの) | 1 |
肝門部胆管悪性腫瘍手術(血行再建なし) | 1 |
腹腔鏡下胆嚢悪性腫瘍手術(胆嚢床切除を伴うもの) | 1 |
肝臓 | 24 |
(内訳)肝切除術(2区域切除) | 3 |
肝切除術(1区-亜区域域切除) | 2 |
肝切除術(部分切除) | 4 |
腹腔鏡下肝切除術(2区域切除) | 1 |
腹腔鏡下肝切除術(その他の系統的切除) | 3 |
腹腔鏡下肝切除術(部分切除) | 11 |
膵臓 | 20 |
(内訳)膵頭部腫瘍切除術 | 10 |
膵頭部腫瘍切除術(血行再建を伴うもの) | 3 |
膵体尾部腫瘍切除術 | 3 |
腹腔鏡下膵体尾部腫瘍切除術 | 4 |