形成外科

形成外科について

手指の外傷、特に切断指の再接着や手、頭頸部、乳房再建など、形成外科全般にわたる疾患を、院内各診療科及び地域の医療機関との連携のもとに治療しています。

診療方針・理念

手指の外傷、特にマイクロサージャリーによる切断指の再接着や手、頭頸部、乳房再建外科に良好な成績を収めている。また全国に先駆けて始めた、Qスイッチルビーレーザー、色素レーザーは10,000件を越える治療実績がある。

症例、治療、成績:年間の手術数は約800例で、形成外科すべての領域にわたっている。

外傷、特に切断指では、末節切断や挫滅が高度な症例でも微小血管吻合による再接着を積極的に行っており、開設以来約85%の生着率を維持している。指の欠損には足指移植を行っている。また同様の手技を用いた遊離皮弁による頭頸部を主とした悪性腫瘍切除後の再建や四肢外傷後の再建、顔面神経麻痺の治療も手がけており、皮弁生着率約96%に達している。また救急救命ホットライン切断指を開設した。

乳癌症例では外科の協力の下に広背筋皮弁や腹直筋皮弁による一期的あるいは二期的再建を行い、またエキスパンダー法による乳房再建を保険診療で行えるよう下記の施設認定を受け、患者さんのQOLの向上を目指している。

  • エキスパンダー実施施設(一次再建、二次再建)
  • インプラント実施施設(一次一期再建、一次二期再建、二次再建)

先天異常では、唇顎口蓋裂、小耳症、埋没耳、臍ヘルニア、漏斗胸などの治療も行っており、特に漏斗胸に対しては内視鏡を用いたNuss法を取り入れ、従来よりも小さな切開で、短時間に最小限の侵襲で手術できるようになった。手足では多合指などの先天異常の手術において、機能的予後だけでなく爪の形態など整容的にも満足の得られるように配慮している。太田母斑、異所性蒙古斑、扁平母斑などのあざや、血管腫・血管奇形に対するレーザー治療、手術治療を行っている。先天性眼瞼下垂、睫毛内反症に対しても多数の実績がある。

熱傷、顔面の損傷や骨折、瘢痕形成などの手術も全体の3割強を占め、手術や外傷による組織欠損の一期的閉鎖はもとより、二次的変形の修正、ケロイド、陥入爪などの治療にも応じており、いわば先天的または後天的に生じた表在性の変形の殆どすべてを治療の対象としている。

近年まぶたと頭痛、肩こりの関連が指摘され、高齢化の進行も相まって眼瞼下垂、睫毛内反涙道閉塞の手術が増加している。加齢による眼瞼内反、涙道閉塞の手術も増加している。

乳がんや婦人科がんの術後に発生したリンパ浮腫に対し、MRリンパ管造影・ICGリンパ管造影検査での評価と、リンパ管細静脈吻合術(LVA)を行っている。リンパ浮腫研修を修了した5名のセラピストと協力し、リンパ浮腫治療の質を向上させるべく取り組んでいる。
看護師特定行為研修の指導を行い、自律的に褥瘡などの創傷ケアができる看護師を育成している。将来的には北信地域の在宅医療において褥瘡ケアに長けた看護師が対応できる体制を目指す。

医療設備:手術用顕微鏡、Qスイッチルビーレーザー、色素レーザー(VBeamⅡ)

診療実績(令和2年1月~令和2年12月)

手術・検査件数

手術内容 件数
新鮮熱傷 26件
顔面骨骨折 18件
軟部組織損傷 37件
唇裂・口蓋裂 12件
手足の先天異常 4件
手足の外傷 130件
その他の先天異常 36件
母斑、血管腫、良性腫瘍 368件
悪性腫瘍、それに関連する再建 71件
瘢痕、瘢痕拘縮、ケロイド 13件
褥瘡、難治性潰瘍 31件
変性・炎症 96件
後天性眼瞼下垂症 32件
その他レーザー 210件
合計 1,093件
症例数、治療、成績
年間の手術数は約1,093例で、形成外科すべての領域にわたっている。
2020年1月1日〜12月31日 形成外科入院患者総数 311人
臨床指数
指・肢再接合・血行再建成功率(平成5年以来)
指再接合:157本中131本生着 83%生着率
血管付き遊離複合組織移植(指移植を含む):299例 生着率93%