血液内科

血液内科について

白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫などの血液悪性腫瘍、再生不良性貧血などの造血障害、血小板疾患や血友病などの止血異常疾患などの血液疾患に関する診療を行っています。

診療方針・理念

血液は生命の維持にとても重要な存在です。血液は酸素を運搬する赤血球、体内に侵入した病原体や異物から体を守る白血球、止血にかかわる血小板や凝固因子などからできています。これらの働きになんらかの異常が生じると貧血、感染、出血など様々な症状が出現し、時に生命にかかわる事態となります。血液内科ではこれらの原因を調べ、病態に対して適切な治療を行います。具体的には、白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液悪性腫瘍、再生不良性貧血などの造血障害、血小板疾患や血友病などの止血異常疾患など多岐にわたり診療を行っています。通常の抗がん剤治療で治癒が困難な場合は、治癒を目指して積極的に造血幹細胞移植を行っています。
医学の進歩によって、病気に対する新薬の開発が盛んに行われており、これまで治癒が困難とされた病気が、改善し治癒する場合も少なくありません。血液内科の分野は、特に研究結果が治療に反映されやすい分野であり、私たちは常に国内外の最新の研究結果を取り入れるように努力しながら、患者さんにとって最適と思われる治療を目指していきたいと考えています。治癒が難しい病状や合併症を抱えておられる場合でも、患者さんと相談しながら、患者さんが希望される最適な医療を提供できるように心掛けていきたいと考えています。
当院血液内科は北信地域における血液疾患治療の基幹病院として、近隣の病院との連携も通じながら多くの血液疾患治療に関わっています。2023年2月現在、血液内科医師(腫瘍内科2名を含む)は11名で、病床数56床を有しており一般病院の血液内科治療施設としては国内有数規模となっております。日本血液学会血液専門医研修施設、日本骨髄バンク指定骨髄移植施設および骨髄採取施設です。全入院患者さんを対象とした症例検討会(カンファレンス)を毎週開催し、治療方針については血液内科医全員で話合いの上、決定しています。病理カンファレンス、血液標本カンファレンスを行い、学会への参加や発表も積極的に行っています。また専門医指導のもと、血液専修医、研修医教育も熱心に行っています。

造血幹細胞移植について
難治性の血液疾患に対して、治癒を目指した治療として行われます。骨髄移植、末梢血造血幹細胞移植、臍帯血移植があります。治療による合併症のリスクが高く厳しい治療ですが、医師、看護師、薬剤師、検査技師、リハビリ、緩和ケアチーム、医療社会福祉士、栄養サポートチームが患者さんを中心として、チーム一丸となり治療を行っています。
1998年に西5病棟(骨髄移植センター)を開設してから2022年12月までに727件(血縁同種移植108件、非血縁同種移植155件、臍帯血移植254件、自家移植210件)を行いました。移植件数は年々増加傾向で、特に臍帯血移植が増加しています。

診療実績

長野県内の北信地域の血液疾患の基幹病院として、多くの血液疾患を受け入れています。1991年から2021年までの30年間における入院に限った新規血液疾患症例数は5967例で、この数は年々増加し、2022年度1年間は273名でした。内訳は、急性白血病36例、骨髄異形成症候群23例、慢性骨髄性白血病7例、非ホジキンリンパ腫73例、ホジキンリンパ腫3例、多発性骨髄腫23例、特発性血小板減少性紫斑病14例、再生不良性貧血6例、など。