呼吸器内科・感染症内科

呼吸器内科・感染症内科について

第一呼吸器内科、第二呼吸器内科、感染症科、総合診療科、集中治療室(ICU)に関わる医師が6人で一緒に診療しています。3人が日本呼吸器学会公認の呼吸器専門医で、他にも様々な専門医を取得し、日々修練を重ねています。患者さんに信頼される医療が提供できるよう、努力していきたいと思います。
呼吸器の分野は非常に幅が広く、多岐にわたっています。主な疾患としては、肺がん、縦隔腫瘍、原発不明がん、胸膜中皮腫などの腫瘍性疾患、びまん性肺疾患(各種膠原病、間質性肺炎など)、感染症(肺炎、HIV感染症など)、肺循環障害(肺高血圧症、肺血栓塞栓症など)、COPDなどの気道疾患、気管支喘息などのアレルギー疾患、ARDSなどの急性呼吸不全、酸素療法が必要な慢性呼吸不全などがあげられます。

診療方針・理念

がん診療、感染症診療、救急集中治療を軸として診療しています。それを反映して当科の入院患者さんの約半数が緊急入院となっています。
主な疾患の診療について説明します。

腫瘍性疾患(肺がん、縦隔腫瘍、原発不明がんなど)
各種画像診断、気管支鏡検査(経気管支的肺生検、ガイドシースを用いた超音波下生検(EBUS-GS)、リンパ節に対する吸引細胞診(EBUS-TBNAなど)局所麻酔下胸腔鏡検査による病理診断を行っています。特に、EBUS-TBNAや局所麻酔下胸腔鏡検査は診断率が高く、胸水がたまっていて原因がわからない場合には適応になります。
診断の後、外科手術が必要な場合には呼吸器外科へ紹介し、内科治療が必要な場合には分子標的薬、化学療法、放射線療法を行っています。呼吸器外科や放射線科と共同で週1回のcancer board(胸部悪性腫瘍治療検討会)を実施し、最善の治療を常に模索しています。また、気道内の悪性腫瘍に対してレーザー治療やステント挿入による気道狭窄の治療も行っています。
当科で行っている化学療法レジメン一覧(平成29年10月30日現在)
小細胞肺がん・非小細胞肺がん・悪性胸膜中皮腫・胸腺腫/胸腺がん(PDF:229KB)
Precision Medicine(精密医療・個別化医療)の実践
当院は国立がんセンター東病院主導(主任研究者後藤功一先生)のLC-SCRUM JAPANプロジェクトに参加しています。これは肺がん患者さんの組織検体を国立がんセンター東病院に送付し、現在の保険ではまかなえない様々な遺伝子変異を検査することにより、個別化医療に役立てようというものです。何らかの遺伝子変異が陽性となれば、新規分子標的薬の臨床試験に参加できる可能性があり、患者さんの大きなメリットにつながる可能性があります。日本全国の多くの病院がこのプロジェクトに参加しています。参加を希望される患者さんは主治医にご確認ください。
詳細について http://epoc.ncc.go.jp/scrum/
びまん性肺疾患(各種膠原病、間質性肺炎)
気管支鏡による経気管支的肺生検や気管支肺胞洗浄による診断、場合によっては呼吸器外科と協力して外科的肺生検を積極的に行い、確定診断に努めています。日本各地の専門医とも相談しつつ、最適な治療を目指しています。
特に特発性間質性肺炎(肺線維症)は特定疾患に認定されている難病であり、診断、治療共に難しい疾患ですが、常に最新の治療を提供していくつもりです。
肺循環障害(特発性肺高血圧症、肺疾患に伴う肺高血圧症、慢性肺血栓塞栓症)
心疾患による肺高血圧症は循環器内科の領域です。意外と見逃されがちなのは、治療可能な肺疾患による肺高血圧症です。例えば、COPDに対して十分な治療をしているにも関わらず、息切れの改善がなかったり、下肢の浮腫が出現するような場合には、一度当科に受診することをお勧めいたします。
我々は肺疾患に対する治療を行うと共に、積極的に右心カテーテル検査を行って、肺高血圧症の診断に努めています。肺高血圧症は予後の悪い疾患であり、早期発見が非常に大切です。
気道疾患(COPD(慢性肺気腫)、びまん性汎細気管支炎、気管支拡張症、気管支喘息など)
気道可逆性試験や拡散能を含む肺機能検査や胸部CTなどで診断を行い、気管支拡張薬(抗コリン薬、β刺激薬)、吸入ステロイド、禁煙指導などによる治療を行っています。COPDは喫煙歴のある方であれば誰でも発症する可能性がありますので、該当する方は一度肺機能検査を受けてみた方がよいでしょう。
気管支喘息もまだまだ発作で重症になる方がいらっしゃいます。重症度に応じた治療管理が必要になります。当科ではピークフローと喘息日記を用いた自己管理指導、吸入指導を行っています。
喘息日記のダウンロードはこちらから(PDF:516KB)
喘息・COPD 診療情報提供書のダウンロードはこちらから(PDF:123KB)
感染症
当院はHIV診療拠点病院です。専門医が診療に当たっています。また、院内の感染症対策の一環として、ICT(感染対策チーム)のメンバーとしてラウンドを行い、抗菌薬の使用状況や感染予防に目を光らせています。
救急集中治療
ARDS(急性呼吸窮迫症候群)や肺炎、COPDの急性増悪などによる急性呼吸不全に対し、集中治療室(EICU、ICU)において器械(人工呼吸器)による人工呼吸管理(非侵襲的陽圧管理法(NPPV)、気管挿管下陽圧管理法(IPPV))を含む包括的な全身管理を行っています。早期からのリハビリテーション、経管栄養管理、鎮静薬の適正使用を目指しています。週に一度救急部の医師と協力してカンファレンスを行い、議論を通じて適切な集中治療ができるよう心がけています。  また、呼吸サポートチーム(RST)を組織し、毎週水曜日に人工呼吸管理を行っている患者さんをラウンドしています。この組織には看護師、理学療法士、臨床工学士、口腔外科医師、呼吸器内科医師、救急部医師と他職種の専門家が関わっています。

文責 呼吸器内科 倉石博

診療実績

呼吸器内科 実績

2012年
1月から
12月まで
2013年
1月から
12月まで
2014年
1月から
12月まで
2015年
1月から
12月まで
2016年
1月から
12月まで
外来新患人数(のべ) 1860 1782 1889 1681 1372
入院患者数(のべ) 1014 1080 1186 1190 1224
うち緊急入院 506 575 621 575 632
在宅人工呼吸管理 NPPV含む(新規) 8
(1)
12
(5)
15
(3)
13
(3)
10
(1)
在宅酸素療法(新規) 61
(12)
68
(26)
82
(36)
88
(36)
84
(35)
新規肺がん患者数 117 127 113 122 133

検査、手術

2012年
1月から
12月まで
2013年
1月から
12月まで
2014年
1月から
12月まで
2015年
1月から
12月まで
2016年
1月から
12月まで
気管支鏡検査 245 245 266 302 290
うちEBUS-TBNA 8 13 15 12 14
胸腔鏡検査 5 9 13 9 12
右心カテーテル検査 19 22 21 22 20
気管切開術 7 8 16

入院の内訳

2012年
1月から
12月まで
2013年
1月から
12月まで
2014年
1月から
12月まで
2015年
1月から
12月まで
2016年
1月から
12月まで
肺がんなどの肺、縦隔悪性腫瘍 495 545 545 597 562
肺炎 173 179 192 251 210
びまん性肺疾患 48 53 52 75
気管支喘息 23 30 33 28 32
気胸 31 22 34 35 35
呼吸不全 21 21 7 2 8
COPD 19 21 38 4 52
心不全 11 17 18 9 8
胸膜悪性腫瘍 27 10 26 18 33
敗血症 7 9 15 5 10
その他の悪性腫瘍 9 12 5
肺高血圧症 6 8 17 11 10
非結核性抗酸菌症 3 6 1 6
サルコイドーシス 5 2 5
気管支拡張症 3 3 4 4
原発不明癌 8 2 10 3 2
膿胸 5 2 8 3 7
その他 83 130 153 153