診療科・部門
地域周産期母子医療センター

長野県北部の地域周期母子医療センターとして、母と子供の命を守ります。
小児科・NICUと産科が連携・協力して妊婦・新生児のケアにあたります。

NICUについて

当院は、地域周産期母子医療センターとして、地域の産婦人科医院や、総合周産期母子医療センターである県立こども病院と協力して、主に長野県北部地域一帯の妊産婦・新生児のケアにあたっています。
当NICUでは、在胎37週未満で出生する早産児、出生時の体重が1,000gに満たない超低出生体重児を含む低出生体重児、分娩時に起こる呼吸障害、感染症などの新生児を主に診療しています。北信地域の他の総合病院で対応できない早い週数のお子さんが生まれそうな場合には、母体搬送で当院に転院して出産に備える場合もあります。24週以下の超早産児や心疾患、外科的手術が必要な場合などは、県立こども病院での治療をお願いしています。
また、正常産でも予期せぬ新生児の急変が起こり得ます。10%の児が何らかの呼吸補助を要し、1%の児は積極的な心肺蘇生なしには救命できないとも言われています。当院ではそれに対応できる体制をとっており、より安心・安全な周産期医療を提供していきたいと考えています。

ベッド数

  • NICU 9床(現在は6床稼働)
  • GCU 15床

スタッフ数

  • 医師 9名(うち新生児専門医1名)
  • 看護師・助産師 25名

看護スタッフのうち1名は新生児集中ケア認定看護師であり、新生児とその家族のために日々のケアの見直しと改善、またスタッフ教育に力を注いでいます。

愛着形成確立へのケア

NICUでは、親子が触れ合える時間を多く持てるように午前中の処置・回診の時間以外は面会可能としています。
出勤前の早朝や出勤帰りの夜間に面会にみえるお父さんも多くいます。祖父母や児の兄弟姉妹はNICU内に入れませんが、モニターテレビでの面会や窓越しでの面会をしています。また、お母さんが当院産科病棟に入院中の場合、昼間の授乳だけでなく夜間でも児が泣いたら産科に連絡して授乳に来て頂くなど、母乳育児の確立にも力を注いでいます。
また、保育器での入院をされる場合、保育器カバーの作成を希望されるご家族の方には、作成をしていただき使用しています。
退院が近づいてきたら、ご両親が困らないようにアドバイスしながら、一緒に授乳や沐浴などを行っています。

入院している児には看護師1人が入院から退院後まで受け持ち看護師として担当し、主治医と共に治療・看護をしています。面会ノートを作成し、看護師が日々の児の様子を記載したり、お家の方が自分の思いや児への思いを記載するなど、お家の方とのやりとり・交流に活用しています。

退院後のフォロー

児と家族が退院後もスムーズに地域での生活ができるように、退院後のフォローも行っています。退院して数日後に御自宅に電話訪問し、児の様子や困っていることがないかどうか確認しています。必要があれば、その後も定期的に電話訪問を行っています。
また、地域の保健師に連絡表を送り、保健師による家庭訪問を行ってもらい、御自宅での児や家族の様子を確認し、アドバイスしてもらっています。必要があれば退院前に担当保健師にNICUに来てもらい、児のご両親と顔合わせを行ってもらっています。

出生体重が1,500g未満の極低出生体重児、1,000g未満の超低出生体重児に関しては、退院後はフォローアップ外来でフォローしています。長野県内では施設間の差が少ないように、ある程度共通のフォローアップ体制を敷いています(たいせつなきみ)。また、退院後もさまざまな医療行為が必要な児に関しては、退院前に一般小児病棟で母子入院を行って24時間の児のお世話に家族が慣れるように援助したり、訪問看護や地域の保健師、小児科外来や救急外来と連携をとりながら退院後のサポート体制を整えています。
極・超低出生体重児に関しては、家族の会「クレッシェンド」があり、先輩ママに心配な気持ちを聞いてもらったり、体験談を聞いたり、疑問等を相談していただけると思います。

産科及び地域との連携

週1回、小児科・産科の医師同士のカンファレンス、週1回のNICU・産科のスタッフ同士の情報交換で、日々のお互いの状況を確認し合っています。
また、月1回の産科病棟・産科外来・NICU・小児科外来、保健所の保健師との合同会議を行い情報交換やより良い連携に向けての業務改善の検討を行っています。
地域全体の周産期医療の向上を目指して、新生児蘇生を含む勉強会を長野市内の開業の産婦人科と合同で行っています。