概要
近年、アレルギー疾患の罹患率は増加しており、日本人の3人に1人はアレルギー疾患に罹患していると言われています。アレルギー疾患を改善するためには、正しい予防・診断・治療法が必要です。当院には、日本アレルギー学会にて認定されたアレルギー専門医2名がおり、小児科と内科が一体となって、皮膚科、耳鼻科、眼科と連携し、小児から成人までの様々なアレルギー疾患に対し、最新の知見に基づいた専門的医療を行っていきます。
診療の特色
主なアレルギー疾患については、ガイドラインが発表されています。当科ではガイドラインに基づいて治療を行なっています。
気管支喘息
気管支喘息の治療の目標は、制限なく日常生活を遅れるようにすることです。気管支喘息の診断と悪化因子の特定には、呼吸機能検査や血液検査、気道過敏性検査などが必要となります。
気管支喘息の治療は、薬物療法以外に、環境整備や日常管理が重要です。これらについて、個々に合わせた指導を行います。中等症以上において薬物療法の要となる吸入ステロイドを使用する際には、発育発達に合わせた吸入手技指導(スペーサー使用によるpMDI吸入指導、ネブライザーでの吸入指導)を行い、正しい吸入ができているかどうか、定期的にチェックします。
また、生物学的製剤などの最近開発された治療についても必要性を判断して導入します。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、痒みの強い湿疹が長く続く病気です。皮膚の掻きこわしや皮膚の常在菌などの刺激が連鎖し、症状を悪化させます。日常生活では、痒みによる睡眠障害、集中力の低下が問題となります。
治療の原則は、湿疹の原因となるものをなくし(環境整備)、スキンケアを徹底して皮膚のバリア機能を整え、外用ステロイド薬により皮膚の炎症を抑えることです。また、皮膚の掻爬などによる悪循環を断つための日常生活の管理を指導します。当科では、皮膚科と連携し、アレルギー専門の看護師によるスキンケア指導(皮膚の洗い方、軟膏の塗布方法)を行いながら治療を進めていきます。
また、免疫抑制薬や生物学的製剤などの最近開発された治療についても必要性を判断して導入します。
食物アレルギー
食物アレルギーの標準治療は、「正しい診断に基づいた必要最小限の原因食物の除去」です。適切な時期に適切な食べ物を摂取しないことが、将来的な食物アレルギーのリスクを高めてしまう危険性も報告されています。
食物アレルギーは、血液検査や皮膚テストのみでは診断できません。正しい診断を行うためには、詳細な問診が重要ですし、経口食物負荷試験も必要となることがあります。
当科では、経口食物負荷試験による診断を行い、食物除去を最小限に留め、栄養士の指導により栄養バランスを整えながら、定期的に除去解除の可能性を探っていきます。また、食物除去でなく、少しずつ食べられる量を増やしていく治療方法(経口免疫療法)も選択することができます。湿疹がある方は、これらの治療をきちんと行うことで食物アレルギーの改善に繋がる可能性がありますので、これらの治療をしっかり行うことが重要です。
アナフィラキシーを起こす可能性がある場合は、エピペン®を処方します。家庭と学校や保育園、幼稚園での対応も一緒に考えます。学校や園での出張講演も行なっていますのでご相談ください。
食物依存性運動誘発アナフィラキシー
食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、小学校高学年から中学・高校生の時に発症する食物アレルギーです。原因食物の摂取のみでは症状は出現しませんが、摂取後に運動をすると、蕁麻疹、呼吸困難、アナフィラキシーなど重い症状が出やすいことが知られています。当科では、原因食物の特定に運動誘発負荷試験を行っています。
アレルギー性鼻炎・結膜炎、花粉症
アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎は一年中症状がある通年性と特定の時期だけ症状を認める季節性があります。季節性の原因のほとんどは花粉であり、花粉症と呼ばれています。通年性では、ダニなどのハウスダスト、ペット(ネコ、イヌ、モルモットなど)が原因となります。当科では、耳鼻咽喉科、眼科と連携し、アレルゲンの検査を行い、原因を避ける生活指導、点鼻薬、内服薬を行います。また、舌下免疫療法も積極的に行なっていますのでご相談ください。また、生物学的製剤などの最近開発された治療についても必要性を判断して導入します。
スタッフ紹介
診療担当一覧
完全予約制
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
初診 | AM | 小林 法元 | 小林 法元 | |||
再診 | AM | 小林 法元 | 小林 法元 |