初期研修修了者が消化器内科で携わった症例の論文がpublishされました。
こんにちは。長野赤十字病院で初期研修を行い、現在医師3年目・消化器内科専攻医のSです。
私は肝臓に生じた巨大な腫瘤性病変の症例について、論文を作成しました。
論文題名は「Perihepatic dedifferentiated liposarcoma mimicking IgG4-related disease」です。論文は日本消化器病学会の公式英文誌である『Clinical Journal of Gastroenterology』に投稿しました(doi: https://doi.org/10.1007/s12328-026-02351-y)。
当初肝腫瘍生検の結果からIgG4関連炎症性偽腫瘍が考えられましたが、経過中に腫瘤の増大を認めたため、診断および治療目的に外科的切除を施行し、最終的に脂肪肉腫と診断した症例でした。脂肪肉腫が肝腫瘤として発見されることや、IgG4関連炎症性偽腫瘍を擬態することは珍しく、とても示唆に富む症例でした。
この症例について消化器内科の指導医の先生から「論文にまとめてみないか」とお声がけをいただいた時に、症例の経過や診断に至る過程が非常に興味深く、ぜひ学びを深めながら形にしたいと思いました。
そこからは症例の経過を整理し、文献を調べ、本症例の意義が伝わるように原稿作成を進めていきました。特に本症例は約8か月にわたる長い経過であったため、経過表を作成する際には、複雑な臨床経過をいかに分かりやすく、かつ簡潔にまとめるかに苦労しました。また、投稿後のrevisionでは、査読者の先生方からいただいたコメントに対して、どのように追加説明を行うか、どの表現を修正すべきかを一つひとつ検討しながら対応しました。大変な作業ではありましたが、論文作成のプロセスを実践的に学ぶことができました。
今回、論文として症例をまとめることができたことは、自分にとって大きな自信になりました。丁寧に経過を振り返り、文献的考察を加えることで、多くの学びを得られることを実感しました。今回の経験を励みに、今後も日々の診療で出会う一例一例を大切にし、臨床だけでなく学会発表や論文作成にも積極的に取り組んでいきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!