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研修医ブログ

後期研修医が書いた論文がアクセプトされました!

みなさん,はじめまして.長野赤十字病院で内科の後期研修をしています,医師 3年目の風間と申します.今回の記事では,私が執筆した医学論文について皆さんに紹介したいと思います.

まずは,私自身の紹介を少しだけ.

長野県 南信地域の出身で,幅広く内科研修が行える当院を初期研修病院に選びました.2年間の研修を終えたのち,血液内科の領域へ飛び込むことを決め,今年から当院での後期研修をスタートしました.プライベートでは昨年秋に結婚し,化学の分野で活躍する妻(既に英語論文を2本執筆している!)にも刺激をもらいながら,精進する日々です.

研修医1年目の春.血液内科研修中の私は一人の患者さんと出会いました.急性白血病とランゲルハンス細胞組織球症という2つの腫瘍を同時発症した非常に希少な症例でした.最初は訳もわからずがむしゃらに診療する私でしたが,勉強を重ねるうちにこの症例の価値が見えてきました.2つの腫瘍は共通する遺伝子変異を有しており,同じ細胞起源であることが分かったのです.

研修医2年目の夏に血液内科学会総会でこの症例を発表させていただけることになりました.発表に向けて調べれば調べるほど,もっと調べたいことが出てきました.読んだ論文は300を超えたと思います(もっとかも).時に道を踏み違えそうになると,指導医が軌道修正してくれました.そして血液内科学会総会での発表を無事に終えることができました.

それから約1年間の年月をかけて地道に論文執筆を続け,今年の9月にようやくAcceptされ,出版に至りました.本当に大変な道のりだった分,Acceptされた時の喜びはひとしおでした.ここまで来られたのも,指導医はもとより,患者・家族,病理医,検査技師など多くの方々の支えのおかげです.自分は本当に恵まれた立場にいるのだと実感しましたし,改めてこの場を借りて,お世話になった皆様に感謝申し上げます.

最後にこれを読んでいる医学生・研修医の皆さんへのメッセージです.

医学生の皆さん,2年間の初期研修は,とにかく何事も経験です.希少な症例を担当する経験,学会発表の経験,文献を調べる経験,英文を読む経験,英文を書く経験.全てが今後の医師人生に活きてきます.長野日赤では,やる気さえあれば,こういった経験ができます.

初期研修医の皆さん,後期研修は大学病院以外での選択肢も考えてみてください.大学は研究,市中は臨床というイメージがあるかと思いますが,大学病院へ行かずとも論文は書けます!

研修病院でお悩みの先生方,ぜひ長野日赤へ見学にいらしてください.

↓論文のリンクです.もしご興味があれば,ご覧ください.
Frontiers | Case report: Common clonal origin of concurrent langerhans cell histiocytosis and acute myeloid leukemia (frontiersin.org)

指導医より

先生の疾患に対する探求心と、学会発表や論文執筆時の実行力は目を見張るものがあります。もちろん多くの先生方のお力添えがあって完成した論文ですが、先生の頑張りがその先生方のお力をより引き出したのではないかと感じています。掲載された雑誌は、IF=6.244の英文誌で、副院長からも「研修医のみならず、病院全体で見ても特筆すべき業績」とお褒めの言葉を頂きました。これからも一人一人の患者さんとの出会いを大切にして、疑問を深く掘り下げていってください。期待しています!

余談ですが、しかし先生の奥様もスゴイ方ですね…           

血液内科 植木